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雑記

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○春期講座のご案内(2)
 春期の一般向け講座の追加のご案内です。NHKカルチャーは、新規講座を立ち上げました。

●NHK文化センター青山教室
(1)「中世の古文書を読む〜武田勝頼編U〜」
 全6回・2018年04月19日(木) 〜2018年09月20日(毎月第3木曜・15:30〜17:00、8月のみ第4木曜)
 引き続き武田勝頼の出した書状や命令書を読んでいきます。現状の進み具合ですと、このシーズンで長篠合戦に入ることになるかと思います。

(2)「戦国社会への招待〜戦争・政治・習俗〜」
 全6回・2018年04月19日(木) 〜2018年09月20日(毎月第3木曜・13:00-14:30、8月のみ第4木曜)
 戦国時代の様々な事象について、最新の研究成果を掘り下げて解説をしていく講座です。最初のシーズンは、刀狩りや長篠合戦、鉄火起請などを扱います。各回タイトルは、リンク先をご参照ください。

 今日からWeb申し込みが開始されました。今月21日より、電話申し込みも受け付けるとのことです。なお、途中からの受講も可能です。

 他の講座とあわせて、よろしくお願い申し上げます。新規講座は夜間も考えたのですが、受講生の数が読めない、とのことで昼に持っていきました。たしかに、以前早稲田で夜間講座をやった時も、なかなか人がこなかったんですよね。
(2018-02-16)
○春期講座のご案内(1)
 春期の一般向け講座の案内がちらほらと出始めましたので、ご案内いたします。

●早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校
(1)「古文書からみる戦国時代―武田信玄の書状を読む 川中島合戦編―」
 全10回 ・04月11日 〜 06月20日(毎週水曜・13時〜14時半)
 戦国時代の古文書の崩し字を読む講座です。前回(2017年度冬期講座)に引き続き、武田信玄の出した書状や命令書を読んでいきます。  
(2)「人物でたどる戦国史―史料からみた戦国武将の実像・応仁大乱編―」
 全10回 ・04月11日 〜 06月20日(毎週水曜・15時〜16時半)
 同時代史料をもとに、小説や講談・ドラマ、あるいは研究において定着してしまった虚像を考え直したり、あまり馴染みがないけれど戦国時代を考える上で重要な人物の紹介を行います。こちらは完全な講義形式になります。
 今まで、だいたい1年で一回りするような形で講座を組んできましたが、2018年度から完全にリニューアルすることにしました。応仁の乱からリスタートです(途中、従来の講座があるシーズンが混ざります)。2018年度はなかなか有名人までいかないか…な。なおできる限り従来講座と重複受講できるように、従来講座はいじらない方向にしています。なので朝倉孝景などは、別講座(従来と同じもの)内でお話しする予定でいます。

※どちらも、現在は受け付け準備中です。ウェブ・電話での一般申し込み受け付け開始まで、しばらくお待ち下さい。
※講座が開始すると、ウェブ上では「受け付け終了」と表示されますが、電話申し込みは継続して受け付けているそうです。ただし、受講料は変わらないとのこと。

●武蔵野大学生涯学習講座
(1)「キリシタン大名の実像―肥前有馬・大村氏を中心に―」
 全1回・2018年7月14日(土) 13:00〜14:30 千代田サテライト教室
 連続講座「第五弾 武士の権力論」のひとつです。この連続講座は、好きな講座だけ受講することが可能です。こちらは、総論または特論をお話しする講義です。
(2)「戦国期の人身売買―「乱取り」という奴隷狩り―」
 全1回・2017年7月25日(水) 10:00〜11:30 三鷹サテライト教室
 連続講座「史料から日本の歴史を考える 第五弾」のひとつです。こちらも、好きな講座だけ受講することが可能です。(1)と違い、古文書を解説しながらそこから何が読み取れるかをお話しする講座です。なお、私の講座は時間が変則的ですので、ご注意ください。

●NHK文化センター青山教室
 準備中です。後日ご案内しますが、新規講座を立ち上げます。

●朝日カルチャーセンター横浜教室
(1)「早わかり 1日集中 戦国時代」
 全1回・2018年4月14日(土) 13:30-17:00(途中休憩あり)
 戦国時代の概説講座です。タイトルはあちらの要望によります。完全な講義形式です。何でも横浜教室は、古代以外はなかなか関心が集まらないとのことで、意外な気がします。
 明日から受け付け開始とのことです。

 それから『中日新聞』の安城市松平シンポでの萩原大輔氏報告紹介「第1次上田合戦 「家康と連携」新解釈」にコメントを出しました。ばっさりきってしまいましたが、記者の方が理解のある人で助かりました(無理なコメントを求められることが多いのです)。
 紙幅の関係で省略されていますが、「成政との連絡役の家臣」つまり大久保忠世はもともと佐久郡小諸城代として川中島表=対上杉氏最前線の責任者でした。真田が上杉に寝返った結果、徳川との国境が小県まで動きましたから、彼が対真田=対上杉の軍事指揮を執るのはごく自然な流れだということです。
 そもそも大久保は、真田昌幸が家康に服属する際の取次役でもありました。真田謀叛となれば、第一義的な責任が大久保に降りかかります。こういう場合、取次役が責任をとって軍事指揮を執る事が戦国期の通例です。また家康自身は、秀吉の動向を気にして動けなかったこともあり、第一次上田合戦では甲斐衆(平岩・鳥居)・信濃衆(大久保)を派遣したという流れになります。
(2018-02-12)
○『武田氏研究』57号刊行
 先週末〜今週頭にかけ、沼田・吾妻に文書調査に行ってきました。色々な方に御世話になり、様々な発見がありました。感謝しきりです。

 『武田氏研究』57号が刊行されました。発行日は2017年12月20日になっていますが、実際の刊行は2018年1月末です。予定より遅れてしまいました。そのうち、取り扱い元である岩田書院のウェブサイトや、ジュンク堂書店などから購入できるようになるかと思います。

甲斐国初期金山開発の様相―一五世紀後半〜一六世紀前半を中心に―数野雅彦1
山梨県の中世石仏―中村右近丞に係わる諸尊ほか―坂本美夫14
沼田衆恩田越前守家文書の紹介と検討黒田基樹29
〔史料紹介〕諏方勝頼・望月信頼の岩櫃在番を示す一史料丸島和洋41

 数野論考は、史料のない16世紀前半以前の甲斐金山について、丸島が以前紹介した高野山成慶院供養帳から、存在を実証したもの。坂本論考は、北杜市の中村右近丞という武士にまつわる石仏についての分析。黒田論考は、館山市立博物館所蔵「恩田家文書」の紹介。同館図録で一部が紹介されたことがありましたが、本格的な分析ははじめてです。なお、同文書群は昨年同館寄託から寄贈になったとのこと。全点写真つきです。
 拙稿は、古書店売立目録に掲載されていた北条氏康書状(小山田信有宛)の紹介。史料の所蔵の性格上、写真はなしです。第二次国府台合戦関係の書状なのですが(年次比定はこれによる)、「四郎殿・三郎殿」を筆頭とする武田勢が「岩櫃」に在番している旨が記されている点が注目されます。永禄7年(1564)2月のものなので、岩櫃城の初見史料ということになりました。
 ただ、状態がかなり悪く、写真から無理して判読したので、誤読があろうかと思います。また望月信頼の法名について、冒頭の「捐館」は「死去」の敬語であって法名の一部ではないというご指摘を早速頂戴しました。不勉強を恥じるばかりです。謹んで訂正いたします。

 今日は亡父の十三回忌でした。あの時はちょうど『戦国遺文武田氏編』6巻の編集が佳境であった上、論文や口頭報告も複数抱えており、葬儀や相続・会社関係の処理を差配しながら、よく体がもったなと今更ながら思うのですが、精神面を仕事に逃避させる形でバランスをとろうとしていたのかもしれません。
 歴史好きな菩提寺の副住職に対し、武田信玄の預修法要や、室町期の四十九日の繰り上げ事例について雑談をしながら、ふとそんなことを思い出しました。
(2018-02-10)
○「新九郎、奔る!」雑感
 体調を崩したところに、思いがけない事態に遭遇し、完全にダウンしています。

 そんななか、心のオアシスとなったのが、ゆうきまさみ先生の新連載「新九郎、奔る!」(『月刊!スピリッツ』)。「北条早雲」こと、伊勢新九郎盛時=早雲庵宗瑞が主人公で、一読したところ最新の学説(家永・黒田)がもとになっていますね。開始はなんと文正元年。第二回タイトル予告が「文正の政変」というのも凄いです。

 ゆうき先生は『パトレイバー』以来のファンということもあり(あの作品はゆうき先生独自ではないですが、漫画版が一番好きです)、純粋に楽しみにしています。武家言葉に横文字が出てくるのは、ご愛敬(笑)。
(2018-01-31)
○『古文書研究』84号刊行
 『古文書研究』84号が刊行されました。今号より、取り扱い元が吉川弘文館から勉誠出版に変更となります。それに伴いまして、表紙の色が茶系統から緑系統となり、デザインもいくつか変更となっています。吉川弘文館様には、長い間大変御世話になりました。

明応年間における備前西大寺の復興造営―古文書と縁起のあいだ―苅米一志1
備前国西大寺における縁起絵巻群の形成と保持川崎剛志16
鎌倉末期当寺領播磨国矢野荘の成立―後宇多法皇による寄進理由を再考する―赤松秀亮27
「銘尽(龍造寺本)」から見える中世刀剣書の成立とその受容―申状土代の裏に書写された現存最古の刀剣書―吉原弘道42
天正四年洛中勧進の特質に関する一考察長崎健吾75
南部信直の元服書について熊谷隆次96
研究ノート
家康「忠恕」の印章―家康御内書成立前史―藤井讓治115
地域と古文書
上田市における古文書解読とその展開尾崎行也129
随筆
新発見の侍所頭人今川貞世請文生駒哲郎134
研究余滴
東寺観智院賢賀と五大虚空蔵護摩供西弥生137
書評と紹介
石野弥栄著『中世河野氏権力の形成と展開』山内譲139
彙報 平成二十九年度新指定文化財紹介142
口絵解説 京都国立博物館所蔵 伏見天皇宸翰消息羽田聡149

 ぎりぎりで永青文庫の展示に行く事ができました。何というか、図録がないのが非常にもったいない(機関誌で特集号が組まれていますが)。新出文書があったばかりか、解説文がなかなかの力作で、あれ自体を載せてほしいレベルです。「細川家文書」を読み込みたいという意欲にかられました。

 余暇。「オリエント急行殺人事件」も間に合いました。オリエント急行の走行そのものがもの凄い迫力。どうもポワロというとデヴィッド・スーシェ版をイメージしてしまうのですが、「何故か挿入されるアクションシーン」もまあありかな、と。当たり前ですが相当端折られているので、原作未読の方がどれくらいついていけるのか(たとえば「傷跡」の説明は不足に過ぎる)と思いましたが、スーシェ版の「オリエント」はアレンジが結構入っている回なので、総体的に見るとこちらのほうが原作に近い部分もあり、両方みたほうがよい、というところでしょうか。

(2018-01-28)
○謹賀新年
 明けましておめでとうございます。さっそくながら、新年に対応できるよう、XSLを書き替えました。毎年、どうしてもこれが億劫になります。

 今期冬の公開講座の御知らせを載せておきます。

●早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校
(1)「古文書からみる戦国時代―武田信玄の書状を読む―」
 全8回 ・01月10日 〜 02月28日(毎週水曜・13時〜14時半)
 戦国時代の古文書の崩し字を読む講座です。今回から、武田信玄の発給文書を連続して読んでいきたいと思います。NHKカルチャーが勝頼なので、こちらは信玄です。8回だと、晴信時代の途中で終わる予定です。
(2)「人物でたどる戦国史―史料からみた戦国武将の実像・群雄割拠編―」
 全8回 ・01月10日 〜 02月28日(毎週水曜・15時〜16時半)
 同時代史料をもとに、小説や講談・ドラマ、あるいは研究において定着してしまった虚像を考え直したり、あまり馴染みがないけれど戦国時代を考える上で重要な人物の紹介を行います。こちらは完全な講義形式になります。

 元日はのんびりと「風雲児たち」を見ていました。吉川プロデューサーから、「時代考証の突っ込みはなしで」と冗談交じりに言われていたのですが、私は江戸時代中期、それも文化面については不勉強もいいところですので、何か偉そうなことをいえる立場ではありません。純粋に、楽しんで視聴していました。やはりテンポがいいですね。

 劇中、前野良沢がオランダ語を翻訳する際に、新たに漢語を作るシーンが繰り返し出てきました。これこそ、明治以降に本格化する作業でして、欧米言語の翻訳の過程で新たな漢語が生まれていきました。実は「時代考証」作業の最大の難関がこれでして、「いかにも時代劇にふさわしく、重々しく聞こえる漢語は、実は明治の翻訳語」というのが結構あるのです。それを外して、かつ「時代劇に不慣れな世代」を意識して台詞の直しをすると、結構選択肢が狭くなるんですよね。これが一番の悩みどころです。

 そのあたりのさじ加減を考える上で、NHK内部の時代考証担当大森さんの御著書が大変勉強になります。素直に読み物として面白いので、ご一読をお勧めします。

 「時代劇演出の歴史」といったらよいのでしょうか。考証と作劇のせめぎあいについて、三猿舎の安田清人さんの連載コラムをまとめた本がこちら。これも気軽に読めると思います。

 「時代考証」というと、実は「まだ生きている人がいる」時代のほうが難しくなります。ようするに、近現代ということですね。これには2つの理由があります。

 ひとつは、視聴者自身の体験との齟齬。ただ実は日本全国おなじ文化かというとそうでもないので、作劇上念頭においている地域では考証上問題がなくても、違う地域で生まれ育った人からすると違和感が出る、ということがあるのだろうと思います。
 自分の経験で言いますと、亡父の会社の残務処理で、地方の方に連絡をとったことがあります。その際、いわゆる「方言」が電話越しでは上手く聞き取れず、困惑しました(対面では問題なかったのですが)。幸い、電話相手の近隣(隣村だったかな?)出身の方がいたので、仲介を御願いしたのですが、複雑な話であったことも手伝って、やはりよくわからないという。やむを得ず、郵便でやりとりをすることになりました。これは言葉の問題ですが、その背景には当然文化の違いがあると想像されるわけです。

 もうひとつは、制作スタッフが「当たり前」と認識してしまっていること。たとえば戦国時代のドラマを作る際には、「これは当時あったのかな?」という確認は意識的に行われます。それが時代考証への問い合わせとなりますし、逆に時代考証ができあがった映像をみて「次回への注文」を出すことも容易です。もちろん、それが反映されるかどうか、というのはまた別の問題となりますし、「時代劇」としての経験の蓄積と、歴史学の進展との差違というのも当然でてきますが。「真田丸」でいえば、書状の様式や、百姓の帯刀が該当します。

 ところが年代が近すぎると、「当たり前」と思っていることが増えますから、それに確認作業の必要性を感じることは非常に難しくなります。私などでは、学生との会話で認識の齟齬が生じて、はじめて気がつく、という感じです。電子記録の保存について講義をしている時に、相手がフロッピーディスクを見たことが無い事に思い当たる。となると、1990年代の話でも相当きめこまかいチェックが必要になることは容易に想像できるわけですが、果たしてすべてに行き届くかなぁ?という素朴な疑問が出ます。

 ネタバレになるので詳細書きませんが、「僕だけがいない街」のネットドラマ版に、原作と話を変えているところがありました。原作段階から出ていた疑問点への対処だと思うのですが、私の記憶が正しければ、「時代考証」的にはどうだろうか、という気がしています。原作でも半透明ゴミ袋の使用年代に違和感を思えましたが、東京マターの話かもしれません。ただいずれにせよ、作劇を優先すると決めてやったのなら、それでいいと思うのです。
 SNSやっていた頃、ドラマやアニメの感想を呟くだけで「考証をしている」といわれたので、何となく書いてみました。あ、「ハガレン」映画版、そんなに悪くなかったような。「鷹の目」がイメージ違うなと思ったのですが、大佐がボケないのでツッコミ役に回れなければそうなるかな、と。
(2018-01-05)